トイレタンクの内部は、見えない部分だからこそ汚れがたまりやすいものです。しかし、タンクのフタを開けるのは手間がかかるだけでなく、構造によっては外すのが難しい場合もあります。そこで今回は、トイレタンクを開けずに簡単に掃除する方法と、その効果について詳しく解説します。 まず、トイレタンクの内部が汚れる原因を知っておくことが大切です。タンクの中には常に水がたまっており、時間が経つと水アカや黒カビ、さらにはぬめりが発生します。特に、水道水に含まれるミネラル分が結晶化すると、白い汚れ（カルシウム汚れ）が付着し、落としにくくなります。また、タンク内の汚れが進行すると、トイレの悪臭の原因になったり、水の流れが悪くなったりすることもあります。 では、タンクを開けずに掃除する方法として、最も手軽なのが「タンク内専用の洗浄剤」を使用する方法です。市販の洗浄剤には、タンクに入れるだけで内部の汚れを落とし、カビや水アカの発生を抑える効果があるものがあります。使用方法は簡単で、洗浄剤をトイレタンクの手洗い部分や給水口に投入するだけです。洗浄剤がタンク内の水と混ざることで、汚れを分解しながらトイレ全体を清潔に保つことができます。 また、重曹とクエン酸を活用する方法もおすすめです。重曹はアルカリ性の成分を持ち、ぬめりや臭いの原因を中和する効果があります。一方、クエン酸は酸性の成分を持ち、水アカやカルシウム汚れを溶かすのに適しています。掃除方法としては、まず重曹を大さじ2〜3杯ほどトイレタンクの手洗い部分に入れ、その後、クエン酸水（クエン酸小さじ1を水200mlに溶かしたもの）を流し入れます。この組み合わせにより、タンク内で発泡反応が起こり、汚れを浮かせて落とす効果が期待できます。 さらに、タンク内の汚れが便器に流れ出てくることもあるため、定期的に便器のフチ裏や排水口を掃除することも重要です。タンクの掃除と併せて行うことで、トイレ全体の衛生状態を向上させることができます。 最後に、タンク内を清潔に保つための予防策として、「こまめにトイレを流す」「塩素系のタブレットを使用する」などの方法も効果的です。特に、水を流す回数が少ないとタンク内の水が停滞し、汚れがたまりやすくなるため、定期的にしっかりと水を流すことを心がけましょう。