衣類害虫が活発になる季節とその侵入時期
衣類に穴を開ける害虫との戦いには、タイミングが重要です。彼らの活動が最も活発になる季節を知り、その時期に合わせた対策を重点的に行うことで、被害を効果的に防ぐことができます。衣類害虫の多くは、春から初夏にかけての暖かい季節に活動のピークを迎えます。具体的には、気温が十五度を超え始める四月頃から、ヒメカツオブシムシなどの成虫が羽化し、産卵のために活発に飛び回り始めます。この時期が、彼らが屋外から家の中に侵入してくる最も危険なシーズンと言えるでしょう。窓を開ける機会が増え、外には花が咲き乱れるこの季節は、人間にとっては心地よいものですが、虫にとっても絶好の活動期間なのです。成虫は屋外で交尾を終えた後、幼虫の餌となる動物性繊維を求めて家屋に侵入し、クローゼットの中の衣類などに卵を産み付けます。産み付けられた卵は、数週間で孵化し、幼虫となります。そして、この幼虫が夏から秋、場合によっては冬を越しながら、私たちの衣類を食べて成長していくのです。つまり、春に侵入した一匹の成虫が、気づかぬうちに数十、数百の幼虫をクローゼットの中に生み出している可能性があるのです。そして、翌年の春、成長した幼虫が再び成虫となって羽化し、新たなサイクルが始まります。この生態サイクルを理解すれば、対策のポイントが見えてきます。成虫が活動を始める前の三月から四月にかけて、衣替えと共にクローゼットの大掃除を行い、防虫剤を新しいものに交換する。そして、成虫が活発な四月から七月頃までは、窓の開閉や洗濯物の取り込みに細心の注意を払う。この季節ごとのメリハリをつけた対策こそが、衣類害虫の侵入と繁殖の連鎖を断ち切るための鍵となるのです。